Q&A

さまざまな質問に本学会 岡本 仁会長が

お答えするコーナーです。


音楽コンクールに関する質問


Q コンクールの自由曲を選ぶのに苦心しています……。

 

A 当学会、岡本 仁会長は長い間いろいろなコンクールの審査員を務めています。

特に、半世紀以上にわたって行われている「TBSこども音楽コンクール」では、1986年から文部科学大臣奨励賞選考委員として全国の代表を審査してきました。その実績に基づき、望ましい「選曲方法」や仕上げるまでの「指導のあり方」を深く追求しています。

当学会が行ってるワークショップ内でも、曲選びや指導法を取り上げていますので、受講されてはいかがでしょうか。

 


Q 課題曲の模範演奏CDや講習会を参考にして指導していますが、異なる解釈や演奏をすると審査の際に不利になるのでしょうか?

 

A 他人の演奏を「なぞって」演奏を行う事、「百害あって一利無し」と言ったら過激に聞こえるかもしれません。しかし、正しいアプローチとは一生懸命に楽譜を読み込む事から始め、自分たちの可能性一杯に創造活動を展開してそれを権威ある審査員に聞いてもらって評価を得る。精神に取り入れる栄養としての音楽活動とはそうでなければならないのではないでしょうか。 


Q コンクールの審査員はどのように選ばれるのですか? 

 

A TBSを例にとりますと声楽家、器楽演奏家、作曲家、教育家、指揮者など実績を積んだベテラン数人が小学校児童、中学校生徒の演奏する重唱、合唱、重奏、器楽合奏(管弦楽、吹奏楽)を厳格な耳で聞き、場合によっては侃々諤々(けんけんがくがく) の議論の末に順位が決まります。他のコンクールの事はあまり詳しくないのですが合唱なら合唱の関係者、吹奏楽でもそのジャンルの人だけで聞いているような話を聞くと児童・生徒の音楽作りのスケールが小さくまとまってしまうのではないかとの疑問や懸念が無い事はありません。 


教育音楽や音楽全般に関する質問


Q 「教育音楽」と「音楽教育」、何が違うの?

 

A 後者は全般を指し、前者は教材・指導法等を精選したものを指します。


Q 「音楽を教えること」と「音楽で教えること」の違いは?

 

A 前者は従来の形、後者は音楽を通して全人格教育をめざすもの。


Q 「音楽で育む」ってどういう意味?

 

A 「音楽で」とは単なるテクニック指導に止まらず音楽を通して全人格教育をめざす、本当の芸術教育。


Q 「音楽療法」って本当?

 

A 年々発達しつつありますが、もっと「科学的」なアプローチが必要。


Q 「合唱指揮者」にはどうしたらなれますか?

 

A 指揮者に「合唱」「器楽」「オペラ」等の区別はありません。聴覚、作曲、理論、音楽史のほか、さまざまな事柄を共通に学びます。


Q よい音楽教師を目指したいのですが。

 

A 「音楽」に限らず高い理想を持ち、人間教育を行うことが大切。


Q 音楽の授業が嫌いです。どうしたら好きになれますか。

 

A ムリに好きになろうとせずに「良い音楽」を「良き指導者」のもとで学ぶことにより、やがてとりこになる。


Q 子どもを音楽家にしたいと思うのですが。

 

A ムリに親が思うことはオカシイ。「正しく・楽しく」学ぶことにより将来音楽家をめざす人になるかも。


Q 倍音って何ですか。

 

A 基音の振動数に対して整数倍の振動数を持つ上音のこと。体験(耳に)することで理解できます。


Q 絶対音感って必要なものなんですか。

 

A 必ずしも必要ではありません。しかし、正しい指導のもとに自然に備わる能力。


Q ソリストではなく「優れた合唱歌手」を目指したいのですが。

 

A 根本的にはどちらも「歌い手」としてのトレーニングが必要ですが、そのほかにバイブレーションのコントロールやアンサンブル上の力が必要です。


Q アマチュアとプロの違いって?

 

A 単に「生活費」だけの問題でなく、その人にとっての存在価値の相違からくるもの。